富士山に100回登るとすごいと言われる中、2011年時点で800回以上登っているすごい方がいる。2019年の今は1000回超えているかもしれない。
『まいにち富士山』(新潮社)の著者、佐々木茂良さんだ。
佐々木さんは学校の校長を退職後、64歳で初めて登山し、以来毎日、神奈川県秦野市の自宅から富士山に登っているという。まさに「仙人」級だ。
仙人とは言い過ぎかもしれないが先人であることは間違いない。
この本を読むまで富士山は7月1日からしか登ってはいけないのかと思っていたが、実はそうではなく、登ろうと思えばいつでも登れるのだそうだ。
著者の佐々木さんは5月から11月まで毎日登っている。毎日登るからこそわかる素晴らしさや危険、マナーや装備など富士登山にまつわる様々な体験が記されている。
この本を読んで富士登山の実感が湧いてきた。
なんとなく靴を用意して、あとは寒さ対策でレインウェアがあればいいかなぐらいに思っていたが、先人の知恵というか教えから装備を見直してみた。
装備・装着には誰もが努めて時間をかけ、慎重の上にも慎重を期して臨まなければらない。
ただし「仙人」のように毎日登るわけではないので、機能とコスパを考慮してそろえてみる事にする。
1)まずは速乾性衣類。
「登山途中で汗をかいては着替えをし、その持ち運びに苦労するので…綿を含まない速乾素材」がよい。
「仙人」は登山用上下と下着をおすすめしているが、ちょっとお高いので今着ているユニクロの速乾シャツで代用しようと思う(^^)
2)雨、寒さ対策のレインウェア
・レインウェア:高価なものは5万円以上するが「性能の悪い製品はやたらに重く風通しも悪く、ムシムシして汗が吹き出す。だから歩きにくくなり、登下山に時間がかかる」と仙人。
しかしさすがにそれも用意できず、今話題のワークマンのイージスで。去年サイクリング用に購入したものを使おうと思う。
ワークマンのイージスは入手が困難なほど人気商品でバイク乗りに支持されている。外からの雨や冷たい風が入り込まないように工夫されており、防水で寒さにもかなり強い。でも標高が高く寒いところでないと暑すぎるかもしれない。
上下で5800円。
人気のイージス防水防寒スーツ
耐水圧10,000mm、透湿度3,000g/㎡/24h。
・ザックカバー:リュックを雨から守る
3)ケガや紫外線から守る衣服
「富士山の登山道は踏ん張りが効かず滑ることが多い。転倒すれば尖った石の切れっ先で皮膚に食い込む。」だから素肌をさらけ出さない方がよいと仙人。
・長そで、長ズボン:半ズボン、半袖はダメ
・手袋:薄手のものでも、軍手でもいい。
・登山靴:登山用の厚手の靴下を履いて少し大きめのもの。捻挫から足首を守るためくるぶしの上まで保護できるハイカット。
3000円ほどで有名メーカーものではなく中国製のもの。バリバリの登山用でもないトレッキング用のシューズ。防水仕様。
足に慣らすために去年購入したものだ。靴底がやわらかめで岩の上では痛くなるかもしれないのでインソールを入れる前提で少し大きめを購入。それでも厚手の靴下をはいたらきついかも。
・インソール:山登りで足が疲れてくると足の裏のアーチがだんだん落ちてくる。アーチが落ちてくるとクッションが少なくなり、ひざに負担がかかってくる。それを防ぐためにインソールを使う。富士山の山肌は砂地だけでなくごつごつとした岩地も進むため、今あるハイカットのシューズでは底が柔らかすぎると感じている。登山用でかなり高価なものもあるが、クッション性を高めることを目的にこのインソールを購入。
Wクッションの立体形状のカップインソールだ。
実はこれはダイソーのもので値段は108円!
ダイソーには本当にたくさんのインソールが揃っていてびっくりだ。
今回はその中で硬くて立体でクッション性のあるものを選んだ。しばらくこれで歩いてみることにした。
・靴下:ウエットスーツにも使われるゴム素材のクロロプレーン靴下。厚手の靴下の上に履く。ということで靴は大きめにしておかないときついかも。
4)降り注ぐ強い紫外線への対策
・サングラス:残雪や新雪の頃の晴天時は必須。安くて丈夫なのでいいと思う。
サイクリング用に買った手持ちのTip(ティップ) スポーツサングラスを使う。296円。有害な紫外線を100%ブロック、乱反射をカット。耐久性に優れた柔軟で快適なフレーム。ハンマーで叩いても壊れない。
・日焼け止め:紫外線は高度が1000m上がるごとに10%増えるとか。鼻の頭や耳、首の後ろは入念に塗る。タオルやリップクリームも有効。
5)入り込む砂への対策
砂礫ばかり富士山は砂ぼこりも相当すごい。口に砂が入り込むし、頭髪も砂まじり。登頂したら濡れたハンカチで体を拭いてさっぱり。
・帽子:日差しよけ、砂よけ。飛ばないように帽子留めをつけて前後にツバがあるものが好ましい。
・濡れハンカチ:食事前に拭きたい。
・目出し帽:「夏でも冬でも富士山の天候が激変する時は震え上がるほど寒く怖い。強風や氷雨、ひょう、あられが顔面に当たると痛くてまともに歩けない」ので目出し帽があるとよい。
6)こまめに飲料、緊急用にも食料
・水分:仙人は2リットルの麦茶がおすすめ。口をすすぐときにも使う。
・食料:昼食、夜食、緊急用の乾パン、一口チーズ、レーズン、アメ、サプリなど。
7)緊急に備える
・マジックテープ:「登山者が一番難儀するのは、急に登山靴が破れたり靴底が剥がれたりして素足同然になり下山ができなくなる事態…万一の応急措置を考えて強力なマジックテープの類を入れておくのがよい」とのこと。
・簡易寝袋:外気の冷気から守る非常用の簡易寝袋
・懐中電灯(ヘッドライト):ご来光を頂上で迎える夜間登山に必要。
・ホイッスル:自分の存在を知らせる。
・薬品、バンドエイド:けがのときに。
8)登山を楽しむ
・カメラ、スケッチブック:カメラは手持ちのiPhone8を使う。
・手紙用品:山頂の富士山郵便局で手紙を投函するための封筒、ハガキ、切手、便箋、ペン類
<「仙人」の本には記載はなかったが準備するもの>
・iPhoneアプリ
・温度計・気圧計:「高度計アプリ」温度・気圧・高度を測る。
iPhone 6および6 Plusにはボッシュ・センサーテック製気圧センサーBMP280が搭載されており、300hPaから1100hPaまでの計測が可能だとか。山に登ったときに測ってみようと思う。
・方位磁石:「デジタルコンパス」
マップとコンパスでより正確な現在位置が分かり、道に迷っても焦らない
登山などの遭難を防止できるため、アウトドアを存分に楽しめる。デザインがかっこいい。
・iPhone用充電用バッテリー:位置情報を使うと電池の減りが早い。しかも気温が低いとさらに電池は消耗していくので必需品。
「仙人」のおすすめ品ばかりとはいかないかもしれない。
でも「やたらと新しいもの、むやみに高価なものを揃える必要はない。自分なりに工夫して、なるべく快適だと思えるような登山用の装備を身につけ、準備する心がけが大切」との言葉に励まされ装備を進める。
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