2019年1月、大田区のプールに寄ったときのこと。
東海道スタンプラリーを開催しているちらしに気がついた。
よく見ると昨年に引き続き第2回の開催で2月20日までの浮世絵デザインは第1回と同じもよう(第1弾)。
”これは行かないと!”
東海道スタンプラリーは川崎宿から品川宿の街道沿いのスタンプ地点を5つ回り、版画の1版づつ押していき、5版で1つの版画ができあがるという企画。
少しネットで調べたがどんな版画ができあがるか情報がなかった。
どんな版画ができあがるか、楽しみにしながら、スケジュールを確認。
回るのは5か所…
4.品川歴史館
5.品川宿交流館
この5か所まわるだけなら、朝から出て京急を使えば午前中で回れるかなという算段だった。
しかし5歳と7歳の子どもも一緒に回ることになるので、その設定はかなり甘かった。
結構大変なことになるとは、このときは思いもよらなかった…
1.東海道かわさき宿交流館
さて、決行日は2月10日日曜日。
前日には今季最大の寒波がやってきて北海道ではマイナス25度。東京でも雪の予報が出ていた。雪が積もったら厳しいかなと思ったが、天気予報ははずれ、東京で雪が積もることはなかった(ホッ)。
2月10日は朝から快晴で風はさすがに冷たかったが日差しがあたると少し暖かい気持ちのいい日になった。
川崎駅からまず1番目のチェックポイント東海道かわさき宿交流館へ向かう。京急川崎駅から川崎DICEの横を通り、旧東海道へ入る。自動販売機も川崎宿バージョン。
自販機にもマメ情報あり。
『享保元年(1716)年、江戸入りする徳川吉宗が川崎宿に宿泊した際、川崎宿の名主・田中休愚が周辺から炊いた米を集め、おむすびにして一行に出しました。以降、紀州の殿様が川崎宿を通る際には、丸い盆に三つ並べて徳川家の葵の紋に見立てた「御紋むすび」が出されるようになり、川崎宿の名物になりました』※ちなみに浮世絵は保土谷宿
交流館へ向かう道すがらに公認キャラの六さんの道しるべが現れる。
子どもたちは六さんを見つけるたびに「見つけた!」とテンションがあがる。
2人で5つづつ見つけた10:30頃に東海道かわさき宿交流館に到着した。
東海道かわさき宿交流館は4階建ての東海道に対して間口が狭く奥に深い細長い形をした建物。以前にも子どもたちと2回来たことがあり、そのときは2階で江戸時代の旅のようにカツラをかぶって着物を着たりした。
今回はスタンプが目的だったので1階に再現された万年屋の奥のスタンプラリーでまずスタンプを押した。5版をずれずにどうやって押すのかと思ったら、A4のちらしからはがき大にミシン目に沿って切り取り、専用スタンプ台に差し込み、動かないようにしてからシャチハタの特製スタンプを押すというしくみになっている。なるほど、これで大きくずれることはない。
1版目は山吹色といもいうべき色。背景っぽいので夕日の色かな。どんな図柄になるのかな。
1版目のスタンプを押したあと、4階まで1段1段53次が書かれている階段を子どもたちがのぼっていく。数字を覚えたての5歳の子も19までは数えられるのでうれしそうにのぼっていく。
1段目の日本橋から4階の三条大橋まで53段。登りきるとほんの少し達成感がありうれしい。
1階の受付のお姉さんが今日はお祭りでおもちがもらえるよと教えてくれたので、行ってみることにした。まだまだ時間はあるし、寄ってみるか。
「お祭りいく?」
「いく!」
と即答の二人。
東海道沿いには川崎稲荷のお祭りののぼりがたくさん出ていたがお祭りだったんだね。
川崎稲荷社は『古くから川崎新宿のお稲荷さまとして、土地の人々の信仰を集めてきた神社であったが、戦災で社殿や古文書は焼失したため、創建は不明』とのこと。『享保元(1716)年紀州藩主吉宗が八代将軍になるために江戸へ向う途中、この境内で休息した』と言われているところ。多摩川を渡る直前に一休みしたのだろうか。
東海道かわさき宿交流館から江戸の方というか多摩川の方へ歩いていく。
「すぐ」と聞いていたので意外に遠く感じる。
「あと5分歩いてなかったら帰ろ」と7歳のおねえちゃんが言う。
ビルの合間の旧東海道は陽が当たらず風が肌寒かった。
そうして本町の交差点まで来たときにようやく見えてきました。川崎稲荷へ曲がる角。
川崎稲荷はそんなに大きな社ではないが町の人たちがたくさん集まって、おもちをついたり焚火にあたっていたりした。
初めてきた新参者の私たち親子にも「おもち食べて」「お菓子もって」「風船あげる」と矢継ぎ早にサービスをしてくれる。
今日は川崎稲荷の二の午祭礼の日。毎年2月の2回目の午の日(2019年は2月14日木)といっても平日だと町の人が集まらないので休日にこの稲荷講のお祭りをやるのだそうだ。
おいしいあんもちをいただきました。
本町2丁目町内会の方にお礼を言って、おいなりさんにお参りし川崎稲荷をあとにした。
まだスタンプ1版目。
2.大田区観光情報センター
京急川崎駅から京急蒲田駅へ。
大田区観光情報センターは改札を出て、そのまま進むとありました。
大田区の観光センターに入るとすぐの目の前にスタンプ台発見!
2版目は緑色の版。どうやら草の部分のようだ。
①と②を重ねて押すと、少し浮かび上がってきた浮世絵。
大田区観光情報センターの一角にはさすが羽田からの外国人向けに日本の和室が再現されている。
3.大森海苔のふるさと館
さて、次はまた京急にのって平和島駅へ。
平和島駅から平和の森公園を通って大森海苔のふるさと館へ向かう。
平和の森公園は平和島駅から徒歩10分ほど。6500平方メートルの公園内には有料のフィールドアスレチックがあり、かなり楽しそう。『区の歴史や史跡、地名にちなんだ40種類の遊具があり、楽しみながら区のことが学べる』とのこと。小学生は100円で楽しめるが、未就学児は見学のみ。5歳の弟くんが見学のみではかわいそうなので、今回はパス。塀で囲われた有料のアスレチックの隣には、ちゃんと無料の幼児用アスレチックがあった。今回はそこで遊ぶことにした。こちらには4つの遊具があるが、それはそれで楽しそうだった。
ときはすでに12時を過ぎていたが、たぶん間に合うだろうと思った。
昼1時になり、さすがに行かないと、スタンプはまだ2つしか押していない。
最後の品川宿交流館は16時までだ。
幼児用アスレチックをようやく過ぎてさらに奥、海側へ進むと大森海苔のふるさと館があった、あった~。
『国の重要文化財に指定されている昭和30年代に造船された最後の海苔船、全長13メートルの「伊藤丸」や、小型の海苔採り舟「ベカブネ」が展示』されており、そのさらに奥の乾海苔作りの作業部屋?にはウエットスーツを着用しているお兄さん、お姉さんがいた。
海の香りがして興味深かったが、入り口のスタンプを押して早々に出た。
3版目は海苔の館だけに?青版。
どうやら水の色のようだ。
①②③を重ねると、どうやら水辺の景色のようだ。
時間が少なくなり、急ぎたかったが、目の前の広場には楽しそうな長い滑り台があり、どうしてもそこで遊びたいと子どもたちが願いでる。
おなかも空いてきた。
「5回だけね」
そういって遊びだす子どもたち。当然5回では終わらず、しばらく走り回る。
しかし海も見えるし天気がよくて気持ちいい。海苔の体験コーナーもやってて楽しそうだったけど、次へ行かないと終わらない。
昼食をさっと済ませて、次のスタンプへ向かった。
4.品川歴史館
4版目の品川歴史館は立会川駅から徒歩13分。
駅を降り、立会川を越え、坂を上り、「まだ?」と子どもたち。
フィールドアスレチックでさんざん遊び、疲れてきたこともあり、なかなか着かない。
駅から遠い。東海道からも遠い。
ようやく到着した品川歴史館は有料の施設だった。
あとから聞いたらスタンプ押すだけなら無料で入り口付近で押せたとのこと。
4版目は黒。
浮世絵の輪郭がうかびあがってくるような図版。
①②③④を重ねると、こんな感じ!
有料だけど入ってよかった。1階の展示スペースには品川宿がミニチュアで再現されており、子どもたち大喜び。
「iPhoneで動画撮りたい!」とミニチュアの品川宿の撮影を申し出る娘。
ミニチュアの説明によると『品川宿の宿並は、南北に19町40間(約2145m)で、高輪町境から大井村境まで家並が続いていました。この模型は1845年(弘化2)頃の品川宿宿並図を元に、目黒川を中心に東海道に面した家並約500mを復元したものです』とのこと。
説明動画で品川宿の説明もあり、興味深かったが、5歳の弟くんが動画視聴中に寝てしまった。
疲れちゃったか~。時間はすでに3時半。
品川宿交流館の4時の閉館には間に合いそうにない。
今日はここまでで断念。
弟くんを少し寝かしたあと、大井町駅まで歩いて帰路につく。
「今日はよく歩いた」と7歳の娘。
けっこう疲れたようで、電車にのるとすぐに眠りに入った。
その日は無事に終わったものの、次の日、娘は高熱を出してしまった。
インフルエンザにかかってしまったのだ。
今年はインフルエンザが大流行。
元気に遊び、歩いたけど、ちょっと疲れちゃったかな。つきあわせてごめんね。
5.品川宿交流館
品川宿交流館は3日後の2月13日水曜日に、一人で訪れた。
入ってすぐは駄菓子屋さんになっており、奥にスタンプラリーの5版目あり。
5版目は輪郭となる線の黒。
この黒だけでもどんな図柄かわかってしまう。六郷の渡しを渡る船。
向こう岸は川崎宿だ。
スタンプラリーの5版目をついに完成させた!
スタンプだけにグラデーションが難しく、網版を使って何とか表現している。制作者の苦労のあとがみてとれる。
日をまたぎ、意外に時間がかかってしまった。
インフルエンザで自宅待機中の娘にできあがったスタンプを見せた。
「お~!できた~!」
5版目の黒ですっかり完成した版画はなかなかの出来だった。
次は違うデザインで3月に行われるらしい。次も挑戦したい。